インターフェロメトリ音響測深機「C3D-LPM」

極浅水域の測深という、従来機材の弱点

港湾の岸壁際や護岸沿い、河口部などの極浅水域は、測量船が入りにくく、従来のマルチビーム音響測深機でも精度よく測深するのが難しい領域です。 しかし護岸・岸壁の維持管理や浚渫計画では、まさにこの浅い水域の地形・構造物データが必要になる場面が少なくありません。

極浅水域を測深したい

従来のマルチビーム音響測深機は観測幅の制約から水深5m未満の測深が難しく、測量船自体が進入できないケースもあります。

構造物際を確認したい

岸壁・護岸の維持管理や浚渫計画では、構造物直下や岸線際の地形・構造物状況を面的に把握する必要があります。

複雑な地形を把握したい

鋭角的・垂直的な起伏を伴う複雑な海底地形は、ソナー形状で角度を規定する従来方式では捉えにくい対象です。

インターフェロメトリ音響測深機 C3D-LPM

極浅水域から中深海域までを1台で対応する、3次元サイドスキャンソナーです。

Interferometric Sonar / 3D Side Scan Sonar

C3D-LPM

米国BENTHOS社が開発したインターフェロメトリ(位相差式)方式の3次元サイドスキャンソナーです。音波を水平方向から下向き30°に発射することで、水深の5〜10倍程度という広い計測幅を確保します。これにより、従来は測深が困難だった水深5m未満の極浅水域から、水深200mまでの中深海域まで、地形・底質・構造物の状況を面的に把握できます。AGSでは日本国内初・世界民間初導入の機材として運用しています(弊社導入分はOver-the-Side Mountタイプによる舷側固定式)。

主な用途

  • 港湾・漁港の岸壁、護岸、防波堤(構造物際の計測を含む)
  • 河口部・沿岸の極浅水域(特に水深5m以下)
  • 水深200mまでの中深海域(地形・構造物把握)
  • 測量船の進入が困難な狭隘・浅所水域

技術方式

CAATI方式 同時到達角度 最大5個 最大2,000点/発信 送受波器 計13個
C3D-LPM本体または舷側取付状況の写真

機材仕様

C3D-LPMは、測深とサイドスキャン画像取得を同時に行う3次元サイドスキャンソナーで、Computed Angle-of-Arrival Transient Imaging(CAATI)方式を採用しています。従来のマルチビーム音響測深機が角度をソナー形状で規定するのに対し、CAATI方式は伝播距離と到達角度の両方を計算する点が異なります。

項目 仕様
方式インターフェロメトリ(位相差式)3次元サイドスキャンソナー、CAATI方式
対応水深水深5m未満の極浅水域~水深200mまでの中深海域
計測幅水深の5~10倍程度
音波発射角水平方向から下向き30°
送受波器構成音波発振部1個、音波受信部6個(両側で12個)
同時到達角度識別数1点あたり最大5個
測深点数1回の発信で最大2,000点
設置方式Over-the-Side Mount(舷側固定式)※弊社導入分
測深精度マルチビーム音響測深機と同等精度(サイドスキャン画像との組み合わせ時)
法令適合IHO-S44 4th EDITION SPECIAL ORDER、海上保安庁告示第102号別表第二 適合スワス音響測深機
仕様に関するご注意: 極浅水域(水深5m未満)における最小水深の限界値と船体喫水との関係、濁度・流速が測深精度に与える影響の定量的な程度は【要確認】です。現場条件との適合については個別にご相談ください。

調査可能な条件・制約

できること

  • 水深200mまでの中深海域の測深・地形・構造物把握
  • 水深20m以浅、特に5m以下の極浅水域での測深・地形・底質・構造物把握(従来のマルチビーム音響測深機では観測幅の制約から困難な領域)
  • 測量船の進入が困難な浅所・狭隘な水域での計測(観測幅が広いため)
  • 岸線際、岸壁・護岸などの構造物際の計測
  • 鋭角的・垂直的な起伏を伴う複雑な海底地形の把握(CAATI方式の強み)

適用しにくい条件・要確認事項

  • 極浅水域(水深5m未満)における最小水深の限界値や船体喫水との関係は【要確認】
  • 測量船自体が全く進入できない水域(陸上からの計測手段など代替手法の要否は現地確認の上で判断)
  • 濁度・流速が測深精度に与える影響の程度は【要確認】(音響方式のため一般的に濁水下でも計測は可能だが、定量的な精度への影響は個別に確認が必要)
  • 構造物表面のひび割れ・腐食など、近接目視でしか確認できない変状の把握(ROVや潜水士による近接点検との併用が必要)
性能の強調だけでなく、適用しにくい条件や代替手法の要否も含めてご案内します。事前に対象水域の水深・潮位変動の傾向、測量船の進入可否・係留スペース、既存の測深データ・図面の有無をお知らせいただくと、より具体的な適用判断が可能です。

調査の流れ

事前協議から報告まで、一貫して対応します。

1
事前協議

測深目的(浅所測深、構造物把握、浚渫計画資料など)と対象範囲、既存図面の有無を確認します。

2
現地確認

水深・潮位・測量船の進入可否、構造物際の障害物有無を確認します。

3
調査計画

測線設計、トランスデューサー取り付け角の設定、実施日程を調整します。

4
現地実施

舷側に固定したC3D-LPMにより測深・サイドスキャン画像を同時取得します。

5
解析

CAATI方式による測深データとサイドスキャン画像を解析し、地形図・構造物図を作成します。

6
報告

測深図・解析結果をまとめた報告書を納品します。

成果品

測深データの取得にとどまらず、設計・施工・維持管理の判断に利用できる成果として整理します。

主な成果品

  • 測深データ(CAATI方式による最大2,000点/発信の測深点)
  • サイドスキャン画像
  • 地形図・構造物図
  • 調査報告書
ご注意:元データの納品形式・座標系対応は【要確認】です。CAD・GIS形式など指定がある場合は事前にご相談ください。
【画像指示:測深図・地形図または調査報告書の例】

安全・品質管理

Over-the-Side Mountによる舷側固定式のため、測量船の運航管理と一体で安全管理を行います。気象・海象条件による実施の中止基準は【要確認】です。構造物の近接目視・触診が必要な箇所は、C3D-LPM単独ではなく潜水士やROVによる点検との組み合わせが基本となります。

実績・ケーススタディ

C3D-LPMは日本国内初・世界民間初導入の機材であり、AGSが開発した「C3Dによる極浅水域での3次元測深技術システム」はNETIS(新技術情報提供システム)に登録されています。個別の現場名・実施年・調査範囲などの具体的な実績詳細は【要確認】です。

よくあるご質問

Q水深何mから何mまで対応できますか。

水深200mまでの中深海域から、水深20m以浅、特に5m以下の極浅水域までを1台で対応します。従来のマルチビーム音響測深機では観測幅の制約から難しかった極浅水域の計測に、特に強みがあります。

Qマルチビーム音響測深機と何が違いますか。

C3D-LPMはインターフェロメトリ(位相差式)方式で、CAATI(Computed Angle-of-Arrival Transient Imaging)というアルゴリズムにより、1点からの複数の散乱波について最大5個までの同時到達角度を識別します。従来のマルチビーム音響測深機が角度をソナーの形状で規定するのに対し、伝播距離と到達角度の両方を計算する点が異なり、観測幅が広く、極浅水域や鋭角的な地形の把握に有効です。一方でサイドスキャン画像と組み合わせた測深データは、マルチビーム音響測深機と同様な精度が得られます。

Q測量船が入れないような浅い場所でも計測できますか。

観測幅が水深の5〜10倍程度と広いため、測量船が直接進入しにくい浅所でも計測できる場合があります。ただし具体的な最小水深の限界や船体条件による制約は現場条件により異なるため、事前にご相談ください。

Q法令上の基準に適合していますか。

IHO-S44 4th EDITION SPECIAL ORDERおよび、水路測量における測定又は調査の方法に関する告示(平成14年4月1日海上保安庁告示第102号別表第二)に適合するスワス音響測深機として認定されています。

見積に必要な情報

詳細が未確定でもご相談いただけます。以下の情報があると、より具体的なご提案が可能です。

対象水域の範囲・水深(極浅水域か中深海域か)
測量船の手配可否・進入条件
調査目的(測深、地形把握、構造物確認、浚渫計画資料など)
希望する成果品の形式(測深図、サイドスキャン画像、報告書など)
実施時期・工期の希望

C3D-LPMによる測深・地形調査を
ご検討の際はご相談ください

目的に応じて以下からご相談ください。対象水域の条件から適用可否を確認いたします。